先日、私は自分でも呆れるような、しかし誰にでも起こり得る「うっかりミス」で、車の鍵が抜けないというパニックを経験しました。その日は朝から予定が詰まっており、急いで自宅の駐車場に車を滑り込ませました。エンジンを切り、シートベルトを外して、さて鍵を抜こうとしたときです。鍵がアクセサリーの位置から動かず、シリンダーにガッチリと固定されてしまいました。一瞬、心臓が跳ね上がるのを感じました。自分の車はもう十年以上乗っている中古車だったので、ついに寿命が来たのか、あるいはシリンダーが壊れてしまったのかと、一気にネガティブな考えが頭を駆け巡りました。 私は必死に鍵を回そうとしましたが、左右に数ミリ動く程度で、抜ける気配は全くありません。スマホを取り出し、「車の鍵が抜けない」と検索すると、そこには「シフトレバーをPにする」という文字が。私は当然のようにレバーを見ました。レバーは一番奥のPの位置にあります。それでも抜けないのです。「ハンドルを揺らす」という項目も試しましたが、ハンドルはロックされておらず、自由に動きます。それでも鍵は抜けません。冷や汗が背中を伝い、ついにロードサービスを呼ぼうかと電話番号を調べ始めたその時、ふと足元に目を落としました。 そこで私は、信じられない光景を目にしました。なんと、シフトレバーの横にあるボタンが、半分押し込まれた状態で止まっていたのです。私の車は古いタイプで、ボタンを押しながらシフトを動かすのですが、そのボタンが汚れか何かのせいで完全に戻りきっていなかったのです。見た目にはPの位置に入っていましたが、ボタンが戻っていないために車側は「まだ操作中である」と認識していたようでした。指でボタンを強めに弾くと、パチンという音と共にボタンが飛び出し、同時にダッシュボードの奥でカチッとロックが解除される音がしました。恐る恐る鍵を回すと、信じられないほど軽くオフの位置まで戻り、鍵はすんなりと抜けました。 原因は、数日前にこぼしたコーヒーの飛沫がボタンの隙間で固まっていたことでした。そんな些細なことで、これほどのパニックに陥るとは思いもしませんでした。もしあのままロードサービスを呼んでいたら、恥ずかしくて顔から火が出るところでした。車の鍵が抜けないというトラブルの時、私たちはつい「壊れた」という大げさな結論に飛びつきがちですが、実は自分のちょっとした不注意や、ボタンの戻りの甘さといった「うっかり」が原因であることが多いのだと痛感しました。今では、ボタンが戻る音を確認するまで、私は鍵に手をかけないようにしています。皆さんも、鍵が抜けないときはまず、レバーのボタンが正しく戻っているかを確認してみてください。