ディンプルキーの合鍵を作ろうとして、近所の靴修理店やホームセンターに持ち込んだ際、「ここでは作れません」と断られた経験はないでしょうか。実は、ディンプルキーは従来の鍵に比べて複製が非常に難しく、作成にあたってはいくつかの重要な注意点があります。まず知っておくべきは、ディンプルキーの合鍵作成には極めて高い精度が求められるという点です。コンマ数ミリのズレがあるだけで鍵穴に入らなかったり、回らなかったりします。また、無理に精度の低い合鍵を使い続けると、シリンダー内部の精密なピンを傷つけ、最終的にはシリンダーごと交換しなければならない事態を招きかねません。 合鍵作成の方法には、大きく分けて二つのルートがあります。一つは、店舗にある複製機を使用してその場で作る方法です。最近では高性能なマシンを導入している店舗も増え、一部のモデルは即日作成が可能になりました。しかし、作成できるのはあくまで「コピー」であり、元の鍵(マスターキー)から少しずつ誤差が生じるリスクがあります。もう一つの、より推奨される方法は、メーカーへ直接発注する「純正キー」の作成です。これは鍵に刻印されている番号をもとに、メーカーが工場でオリジナルと同じ精度の鍵を製造するものです。手元に届くまでに二、三週間程度の時間はかかりますが、品質と安全性は完璧です。 特に注意が必要なのが、登録制(セキュリティカード制)を採用しているディンプルキーです。これは、購入時に付属するカードに記載されたシリアル番号や暗証番号を提示しない限り、たとえ鍵の実物を持っていてもメーカーは合鍵を作成しないというシステムです。この制度がある鍵の場合、街の鍵屋さんで勝手に複製することはできず、必ず正規の販売店やメーカー公式サイトを通じて手続きを行う必要があります。これは一見不便に思えますが、他人に鍵を貸した際に知らないうちに合鍵を作られるという、防犯上の最大のリスクを排除するための非常に優れた仕組みです。 合鍵を作成する際は、必ず「マスターキー(親鍵)」を元にすることをお勧めします。合鍵からさらに合鍵を作ると、誤差が蓄積して不具合の原因になります。また、作成費用は一本につき二千円から五千円程度と、従来の鍵よりも高額になることが一般的です。ディンプルキーという種類を選択した以上、その高い防犯性能を維持するためには、作成プロセスにおいても適切な手順とコストをかけることが不可欠です。一本の合鍵を安易に考えるのではなく、住まいの安全を司る重要なパーツを増やすという意識を持って、信頼できるルートで手続きを行いましょう。
ディンプルキーの合鍵作成で知っておくべき注意点と手順