鍵が鍵穴の中で折れてしまい、自力での取り出しが困難な場合、頼りになるのがプロの鍵屋です。しかし、専門家に依頼するとなると、やはり気になるのが「料金はいくらかかるのか」という点でしょう。いざという時に慌てないためにも、また、不当な高額請求をされないためにも、料金の基本的な仕組みと相場観を知っておくことは非常に重要です。鍵屋に折れた鍵の取り出しを依頼した場合、料金は主に「出張費」と「作業費（技術料）」の二つで構成されます。出張費は、業者があなたのいる場所まで駆けつけるための費用で、三千円から五千円程度が一般的です。そして、料金の大部分を占めるのが、実際に折れた鍵を取り出すための作業費です。この作業費は、鍵の種類や、破片がどのくらい奥に入り込んでいるかといった、作業の難易度によって変動します。これらの費用を合算した、折れた鍵の取り出し作業の総額の相場は、おおよそ八千円から一万五千円程度と考えておくと良いでしょう。ただし、これはあくまで日中の時間帯に、比較的スムーズに作業が完了した場合の目安です。ここに、いくつかの追加料金が発生する可能性があります。例えば、深夜や早朝に依頼した場合は、「時間外割増料金」として五千円から一万円程度が上乗せされることがあります。また、自分で無理にこじ開けようとしてシリンダーを完全に破壊してしまった場合や、経年劣化でそもそもシリンダーが寿命を迎えていた場合は、鍵の取り出し作業に加えて、「シリンダーの交換」が必要になります。その場合は、新しい部品代と交換工賃として、さらに一万五千円から三万円程度の費用が追加されます。スペアキーがなく、新しい鍵の作成も同時に依頼する場合も、別途、鍵作成の費用がかかります。いずれにせよ、信頼できる業者であれば、電話での問い合わせの段階で、状況を伝えればおおよその概算料金を教えてくれます。そして、作業前には必ず確定した見積もりを提示してくれるはずです。料金の透明性を確認することが、安心して依頼するための鍵となります。