自宅や実家の片隅で、鍵やダイヤル番号が分からなくなった金庫。その固く閉ざされた扉を前に、多くの人は途方に暮れてしまいます。中には一体何が入っているのだろうという好奇心とは裏腹に、自分ではどうすることもできない。そんな時、頼りになるのが「金庫の鍵開け業者」という、その道のプロフェッショナルです。では、どのような状況になったら、迷わず業者に依頼すべきなのでしょうか。まず、最も明確な依頼のタイミングは、「鍵もダイヤル番号も、両方分からなくなってしまった」場合です。どちらか一方でも情報があれば、開けられる可能性は残っていますが、両方とも不明となれば、素人が自力で開けることは、もはや不可能です。次に、「鍵はあるが、錆や劣化で鍵穴が回らない」、あるいは「ダイヤル番号は分かっているが、回しても開かない」といった、物理的な故障が疑われる場合です。これは、金庫内部の錠前機構が、経年劣化や湿気などで固着・破損している可能性が高く、無理に操作すると、さらに状況を悪化させてしまいます。そして、意外と重要なのが、「時間をかけられない」場合です。遺品整理などで、相続手続きのために、早急に金庫の中身を確認する必要がある場合など、悠長に番号を探している時間はありません。プロに依頼すれば、多くの場合、数時間のうちに問題を解決してくれます。ここで絶対にやってはいけないのが、ドリルやバールといった工具を使い、自力で破壊しようと試みることです。金庫は、そもそも破壊行為に耐えるように設計されており、素人が中途半半端な攻撃を加えても、びくともしないばかりか、内部の防御装置(リロッキング装置)が作動し、プロでも開けるのが困難な状態にしてしまう危険性があります。時間と費用、そして何より金庫そのものを守るためにも、開かずの金庫は、その道の専門家に敬意を払い、すべてを委ねるのが最も賢明な選択なのです。