室内のスライドドア(引き戸)に、プライバシー確保のための鍵を、自分の手で取り付けてみたい。そんなDIY精神旺盛な方のために、後付け鍵の取り付け手順と、失敗しないためのポイントを解説します。比較的簡単な作業ですが、正確な採寸と丁寧な作業が成功の鍵となります。今回は、最も一般的な「面付(つらつき)ねじ込み式の簡易錠」を例にご紹介します。まず、準備するものは、「後付け用の鍵本体(受け座とセット)」「プラスドライバー」「鉛筆」「キリ(千枚通し)」、そして「メジャー」です。作業を始める前に、必ず鍵の取扱説明書をよく読み、部品が全て揃っているかを確認しましょう。ステップ1は、取り付け位置の決定です。ドアを閉めた状態で、鍵本体を取り付けるドア側と、受け座を取り付ける柱側の位置を決めます。子供のいたずら防止も兼ねるなら、大人の胸の高さくらいの、手が届きにくい位置が良いでしょう。この時、ドアと柱の間に、鍵の機構部が収まるだけの十分なスペースがあるかを確認することが重要です。ステップ2は、マーキングです。決めた位置に、鍵本体と受け座を実際に当ててみて、ネジ穴の位置に鉛筆で正確に印をつけます。この印がずれると、後で鍵がかからなくなる原因になるため、慎重に行いましょう。ステップ3は、下穴開けです。マーキングしたネジ穴の位置に、キリを使って軽く下穴を開けます。この一手間を加えることで、ネジがスムーズに入り、木材が割れるのを防ぐことができます。ステップ4は、部品の取り付けです。まず、鍵本体をドア側に、ドライバーを使ってネジでしっかりと固定します。次に、受け座を柱側に固定します。この時、全てのネジをいきなり固く締めるのではなく、最初は軽く仮止めし、実際に鍵をかけてみて、スムーズに施錠・解錠できるかを確認します。位置がずれていて、引っかかるようであれば、仮止めを緩めて微調整します。問題なく作動することが確認できたら、最後に全てのネジを本締めして、作業は完了です。自分で取り付けた鍵が、カチリと音を立てて閉まった時の達成感は、格別なものがあります。